「A型・B型・AB型」はどこで線が引かれているのか

ベビーカー売り場やネット通販を見ると、同じ「ベビーカー」でもA型・B型・AB型という呼び方が並んでいて、最初はどれが自分に必要なのか分かりにくいものです。価格も使える時期もばらばらに見えますが、この区分のもとになっているのは一般財団法人製品安全協会が定めるSG基準で、ここでは大きくA型とB型の2つに分けられています。つまり、まず公式の区分を押さえると、店頭の呼び名に振り回されずに整理できます。
この記事では、SG基準でA型とB型がどう定義され、それぞれ何か月ごろから使えるとされているのか、そして店頭でよく聞く「AB型」という呼び方がその中でどこに位置づくのかを、メーカー公式表示とあわせて整理します。各型の対象月齢・リクライニング・重さの傾向・向いている家庭を比較し、1台目と2台目の使い分けまで見通せるようにします。安全に関わる対象月齢や使用条件は最終的にメーカー公式表示と取扱説明書で確認する前提で、ここでは選ぶための地図づくりに徹します。型を決めたあとの生活条件との照らし合わせは、購入前チェックリストの記事に引き継ぎます。
SG基準が定めるA型・B型という2つの区分
製品安全協会のSG基準では、ベビーカーは使い始められる時期とリクライニングの深さによってA型とB型に分けられています。一般に流通している「AB型」は商品名・通称であって、SGの区分としてはA型に含まれる、という関係を先に知っておくと混乱が減ります。SGマークは、この基準に適合し安全試験に通った製品に付けられる目印で、安全性を保証する魔法の印ではなく「どの基準で作られているかの目安」として読むのが正確です。
対象月齢・重さ・使い方の目安(区分はSGマーク基準。AB型は通称で、基準上はA型に含まれます)
対象月齢・体重制限・安全基準はモデルごとに異なります。購入前に必ずメーカー公式表示と取扱説明書でご確認ください。
A型ベビーカーの定義と対象月齢
SG基準では、A型は新生児期(生後1か月)を過ぎてから、または首がすわった乳児期(生後4か月)から使い始められ、最長で48か月(4歳)まで使うものとして定められています。背もたれを深く倒せるのが特徴で、生後1か月から使えるタイプはリクライニング150度以上、生後4か月からのタイプは最も倒した状態で130度以上が条件とされています。赤ちゃんをほぼ平らに近い姿勢で寝かせた状態から使えるため、首がすわる前の時期をベビーカーで過ごしたい家庭の選択肢になります。両対面式(押す人と赤ちゃんが向き合う対面と、進行方向を向く背面を切り替えられる)モデルが多いのもA型に多い傾向です。
B型ベビーカーの定義と対象月齢
B型は、赤ちゃんがひとりでおすわりできるようになる時期(おおむね生後7か月)から使い始められ、こちらも最長48か月までとSG基準で定められています。背もたれは座った姿勢を支える範囲のリクライニングが中心で、A型ほど深くは倒れないモデルが多くなります。そのぶん骨組みがシンプルで、軽量・コンパクトに折りたためる製品が多いのが持ち味です。背面式(赤ちゃんが進行方向を向く向きのみ)が中心で、おすわりが安定してから使う前提のため、新生児期には使えない点が最初の分かれ目になります。
店頭でよく聞く「AB型」の位置づけ
AB型は、生後1か月ごろから使えるA型の機能を持ちながら、B型のように軽量・コンパクトを目指した製品を指す通称です。SGの正式な区分はA型とB型の2つなので、AB型は基準上はA型に分類されます。新生児期から長く1台で使いたいけれど、できるだけ軽いものがよいというニーズに応える位置づけで、近年はこのタイプが「1台目(ファーストベビーカー)」として人気です。呼び名が独り歩きしやすいので、対象月齢とSG区分は必ず各製品の公式表示で確かめるのが確実です。
対象月齢とリクライニングを一覧で見比べる
ここまでの内容を、対象月齢・リクライニングの傾向・重さの傾向・シート向き・主な使われ方で並べてみます。数値はSG基準とメーカー公式表示の傾向をまとめたもので、個々の製品では異なります。実際の対象月齢・体重制限は購入前に各製品の公式表示で確認してください。
| 型 | 使い始めの目安(SG基準) | リクライニングの傾向 | 重さの傾向 | シート向き | 主な使われ方 |
|---|---|---|---|---|---|
| A型 | 生後1か月〜(首すわり前から)または生後4か月〜、最長48か月 | 深く倒せる(150度以上、または130度以上) | 重め(5〜8kg台が中心) | 両対面式が多い | 新生児期からの1台目 |
| AB型(区分上はA型) | 生後1か月ごろ〜、最長48か月 | A型相当に倒せるモデルが中心 | 中程度(軽量化を狙った設計) | 両対面式または背面式 | 新生児から長く使う軽量1台目 |
| B型 | 生後7か月(おすわり)〜、最長48か月 | 浅め(座位を支える範囲) | 軽い(3〜6kg台が中心) | 背面式が中心 | 2台目・買い替え・おでかけ用 |
表で見ると、分かれ目は「いつから使えるか」と「どこまで倒せるか」、そして「重さ」の3点に集約されます。新生児期から平らに近い姿勢で使いたいならA型・AB型、おすわり以降に軽さと取り回しを優先したいならB型、という整理になります。AB型はその中間で、A型の使い始めの早さとB型寄りの軽さを両立しようとした設計だと捉えると分かりやすいでしょう。
それぞれのメリットとデメリットを正直に整理する
どの型にも得意・不得意があり、「上位互換」は存在しません。生活スタイルとの相性で選ぶのが前提です。ここでは各型の長所と、購入後に気づきやすい短所を分けて挙げます。
A型・AB型の良いところと気をつけたいところ
A型・AB型の良いところは、首がすわる前の新生児期から使い始められ、背もたれを深く倒して平らに近い姿勢で過ごせることです。クッションやサスペンションが手厚いモデルも多く、月齢の低いうちから外出したい家庭に向きます。1台で長く使える前提のため、買い替えを前提にしたくない人にも合います。一方で気をつけたいのは、機能が充実するぶん本体が重くなりやすく、玄関や電車の階段で持ち上げる場面が負担になりやすいことです。折りたたんでも大きめで、軽自動車のトランクや狭い玄関では収納に工夫が要る場合があります。
B型の良いところと気をつけたいところ
B型の良いところは、軽量・コンパクトで取り回しが軽快なことです。片手で持ち上げやすく、折りたたみサイズも小さいモデルが多いため、電車移動や帰省、車のトランクへの積み込みで扱いやすい傾向があります。価格帯も比較的抑えめのモデルがそろいます。気をつけたいのは、おすわりができる生後7か月ごろまでは使えない点と、リクライニングが浅めで月齢の低い時期の長時間の使用には向きにくい点です。新生児期をベビーカーで過ごしたい家庭は、B型だけでは時期をカバーしきれないことになります。
関連: 軽量B型を重さ・走行性で比較する
1台目と2台目、どう使い分けるか
型選びは「1台で通すか、2台を使い分けるか」という選択とセットで考えると整理しやすくなります。家庭の移動手段や住環境によって、向いている組み合わせが変わります。

新生児期から外出が多く、できるだけ買い替えずに1台で済ませたい家庭は、A型・AB型を1台目に選ぶ流れが基本になります。新生児から4歳ごろまで使える前提のモデルなら、原則として買い替えなしで通すことも可能です。一方で、新生児期は車移動や抱っこひも中心で過ごし、おすわり後の外出が増えてからベビーカーを本格的に使う家庭では、B型を1台目にして費用と収納を抑える選び方もあります。
もう一つよくあるのが、A型・AB型を1台目に使い、子どもが大きくなって機動力が欲しくなったタイミングでB型を2台目として買い足すパターンです。新生児期はA型・AB型の手厚さを生かし、活発に動くようになってからは軽いB型で身軽に移動する、という時期ごとの使い分けです。2台持ちは費用がかさむ一方、それぞれの型の得意な時期を生かせるのが利点で、上の子がいる家庭やレンタルを組み合わせる家庭でも選ばれています。どの組み合わせが向くかは、新生児期の移動手段・収納スペース・予算の3点から考えると判断しやすくなります。
型の話でよくある質問
AB型はA型とB型のどちらに分類されますか?
製品安全協会のSG区分ではA型に分類されます。AB型は、生後1か月ごろから使えるA型の機能を保ちつつ軽量・コンパクトを目指した製品の通称で、SGの正式な区分としてはA型・B型の2つしかありません。店頭やネットでAB型と表記されていても、実際の対象月齢やSG区分は各製品の公式表示で確認するのが確実です。新生児期から使えるかどうかは、リクライニングの角度と公式の対象月齢で判断してください。
A型とB型はどちらが安全ですか?
どちらが安全かを型だけで決めることはできません。A型もB型も、それぞれの使い始めの時期や使用条件を前提にSG基準が設けられており、その範囲で使うことが前提です。月齢に合わない使い方(おすわり前にB型を使うなど)をすると、型に関係なく想定外の負担になります。型の優劣ではなく、子どもの月齢と使い方が公式表示の範囲に収まっているかどうかが大切で、最終的な確認はメーカー公式表示と取扱説明書で行ってください。
新生児からB型は使えないのですか?
一般的なB型は、おすわりができる生後7か月ごろからの使用を前提にSG基準が定められているため、新生児期の使用には向きません。新生児期からベビーカーを使いたい場合は、A型・AB型を選ぶか、対応する別売アクセサリーで新生児期に対応できる製品かを公式で確認する必要があります。たとえばサイベックスのリベルは通常は生後6か月ごろからのB型ですが、別売のカーシートアダプターでベビーシートを組み合わせる使い方が公式に案内されています。
AB型があればA型は要らないのですか?
一概には言えません。AB型は新生児期から使える軽さが魅力ですが、A型の上位モデルはサスペンションやクッション、走行安定性に重点を置いたものもあり、重視する点が違います。軽さを最優先するならAB型、走行性や手厚さを優先するなら従来型のA型と、家庭の優先順位によって向き不向きが分かれます。両方の公式仕様を、対象月齢・重量・折りたたみサイズ・リクライニングの観点で見比べて選ぶのがおすすめです。
型が違うと値段はどれくらい変わりますか?
一般的な傾向として、機能が充実するA型・AB型は価格帯が高めになりやすく、シンプルなB型は抑えめのモデルがそろう傾向があります。ただし海外ブランドの軽量B型のように、B型でも価格帯が高いモデルもあるため、型イコール価格と単純化はできません。価格は時期や販売店で変動するので、固定の金額ではなく幅として捉え、対象月齢・重量・折りたたみサイズといった実用面と合わせて総合的に判断するのが現実的です。
関連する基礎知識と次に読みたい記事
型のイメージがつかめたら、次は使える時期をもう一段細かく見ていくと選びやすくなります。B型を検討している人は、おすわりの時期と対象月齢の読み方をまとめた記事で、いつから使えるかの判断材料を増やせます。何歳まで使えるかという出口側から逆算したい人は、対象体重と卒業の目安をまとめた記事が参考になります。
型を決めたら、最後は自宅の玄関・車・移動手段といった生活条件と照らし合わせる段階です。購入前チェックリストの記事で、置き場所や持ち運びの動線まで具体的に確認しておくと、型は合っていたのにサイズで後悔する、といったずれを減らせます。軽量B型を具体的に比べたい人は、重量・走行性・荷物カゴで選ぶ比較記事へ進んでください。
関連: ベビーカー基礎の記事一覧を見る
型選びのまとめ
ベビーカーの型は、まずSG基準のA型・B型という2区分を地図にして、AB型はその中でA型側に位置する軽量タイプだと捉えると整理できます。分かれ目は「いつから使えるか」「どこまで倒せるか」「重さ」の3点で、新生児期から平らに近い姿勢で使いたいならA型・AB型、おすわり後の軽快さを優先するならB型が基本線です。
迷ったら、この順番で絞ると候補が一気に決まります
一般的な選び方の目安です。最終的な仕様・安全表示はメーカー公式と取扱説明書でご確認ください。
そのうえで、1台で通すか2台を使い分けるかは、新生児期の移動手段・収納スペース・予算から考えると判断しやすくなります。型の優劣で決めるのではなく、自分の家庭の条件にどの型が合うかという視点で選ぶのが失敗を減らす近道です。
対象月齢・体重制限・SG区分などの安全に関わる事項は、本記事の整理を入口にしつつ、最終的には必ずメーカー公式表示と取扱説明書でご確認ください。型が決まったら、購入前チェックリストで生活条件と照らし合わせ、軽量B型を検討する場合は比較記事で具体的なモデルを見比べていくのがおすすめです。
編集部が整理した候補
折りたたむと自転車のカゴに入るサイズをうたうウルトラコンパクトな軽量B型。2アクションで小さくたため、帰省・旅行のサブ用途に向けて訴求されています。
参考価格: 約27,000〜30,000円(公式 税込29,975円・カラー/販売店で変動)
本体3.3kgの超軽量B型ベビーカー。片手ワンタッチ開閉とリクライニング幅を広げた『姿勢快適シート』、やわらかサスペンションを採用しています。
参考価格: 約16,500〜21,450円(希望小売 税込21,450円・実売で変動)
生後7か月〜4歳頃(体重18kg)まで使える本体3.8kgの軽量背面式B型。50cmハイシート・前輪16cm大型タイヤ・28L拡張式バスケットを備えます。
参考価格: 約22,800〜35,200円(希望小売 税込35,200円・実売で変動)
価格は変動します。リンク先で最新価格・在庫をご確認ください。順序は編集部が公式表示をもとに整理した目安です。